外来種のタンポポであるセイヨウタンポポやアカミタンポポが繁殖し、在来種のニホンタンポポが
片隅に追いやられているような話をよく聞きます。あたかもニホンタンポポが絶滅に瀕しているよ
うな印象さえ持ちかねません。確かに外来種には単為生殖とかアルカリの土地に強いとかニホンタ
ンポポにない性質があります。しかし、ニホンタンポポにもすばらしい武器が備わっています。
タンポポの生育には日当りがよいことが大切な条件です。他の草花に覆われて十分な日光が得られ
なくなると生育できなくなります。このときニホンタンポポは地下茎が生き残り環境条件の回復を
待ち続けます。しかし、外来種は地下茎だけでの存続ができないので生き残れないのです。
ニホンタンポポも負けてはいないのです。
さて、ニューハーフのタンポポのことですが聞くところによりますと私たちがセイヨウタンポポだ
と思っているものの中にニホンタンポポとセイヨウタンポポの雑種があるのだそうです。
従来はこの間には交配はないと考えられていたようですが外来種のタンポポにも受精能力のある花
粉ができることがあり、これが在来種のニホンタンポポとの間で雑種をつくるのだそうです。
なお、このとき外来種は自分の遺伝子を持っている子孫を在来種につくらせることになるので、こ
うしてできた種を「盗賊種」と言うのだそうです。
そして、この雑種は形態的にはほぼ元の外来種に類似しているのだそうです。また、この雑種は各
地で検出されているそうです。むしろ純粋なセイヨウタンポポと思われるものの方が少ないとも言
われています。ただし、アカミタンポポとの雑種はあまり見られないとか。
私たちがセイヨウタンポポだと思って見ているものが実はニホンタンポポとの雑種、ニューハーフ?
の盗賊種と言うことが多いらしいのです。
※ニホンタンポポと言う種はありません。普通に見られる在来の総称と考えてください。
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