セイタカアワダチソウの拡散
セイタカアワダチソウの根には植物の発芽・成長を阻害する物質が含まれており、それを分泌することに
よって周囲の植物を侵略するのだそうです。このようなはたらきをアレロパシー( allelopathy「お互い
に」と「感じる」意味のギリシャ語を組み合わせた造語で他感作用と訳されている)と言うのだそうです。
この物質の化学的構造も解明されています。これはセイタカアワダチソウが破竹の勢いで我が国に広がっ
た理由のひとつですが、他にも広がる要素を備えています。ある資料によるとセイタカアワダチソウは1
本で5万個もの種を作り、しかも1uに100本と言う大変な密度で生えるので1uには500万個にも
及ぶことになります。これが風によっていたるところに散布されるのです。これが秋の野原を黄色の世界
になってしまうのではないかと思うほどの広がりの秘密なのです。昔からの秋の風情、ススキの原もその
制圧を受け様変わりをしています。
セイタカアワダチソウの自家中毒
この繁殖力でたちまちセイタカアワダチソウの天下になってしまいそうです。しかし、自然の仕組み摂理
は上手くできているものでセイタカアワダチソウの持つアレロパシー(他感作用)はセイタカアワダチソ
ウにも作用するのだそうです。いわゆる自家中毒を起こして繁殖がコントロールされるのです。心配され
たほどの広がりを見せていない理由のひとつはここにあるのです。
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