植物豆知識の頁 3

「野草の名前について」

>
野草の種類は大変に多く、その名前を覚えるのはなかなかです。
しかし、それらの名前にはいくつかの共通して使われている言葉
や特徴があります。それぞれそれなりの意味を持っていますので
その一部をここに紹介します。
野草を調べるときの参考にしてください。


@名前に「イヌ」とつくもの
     例・イヌビユ、イヌムギ、イヌタデ、イヌガラシ・・
イヌということばが頭についています。これらの名前はもとになる

植物、ヒユ、ムギ、タデ、カラシなどに対して似ている植物ですが、

役立たないものという意味で「イヌ」ということばがつけられたも

のです。ただし、イヌノフグリなどは本来の犬を表す意味で使われ

ています。


A名前に「モドキ」とつくもの
     例・チチコグサモドキ、タンポポモドキ・・
 本家本元 チチコグサ   類似品 チチコグサモドキ

モドキのことばが後ろについています。モドキは「擬」で、似てい

るが本物ではないということです。

チチコグサモドキはチチコグサに似ているが本物ではないというこ

とを表わしています。


B名前に「スズメ」「カラス」「ウシ」とついているもの
     例・スズメノエンドウ、カラスムギ、ウシハコベ・・


スズメ、カラスなどの名前は元になっている植物と対比した大きさ

を表わしています。

スズメは小形、カラスは少し大形、そしてウシは大柄なものに対し

てつけられています。

なお、ウシノシッペイのように大きさではなく本来の牛の意味をも

つものもあります。


C名前に「ヒメ」とついているもの
     例・ヒメオドリコソウ、ヒメスイバ・・
ヒメは「姫」の意味で、元のものオドリコソウやスイバなどに比較

して、小さくて可愛らしいものということです。


D名前に「オニ」とついているもの
     例・オニノゲシ、オニアザミ、オニタビラコ・・
オニ(鬼)は恐くて強いもの。元のものより大形で頑丈そうな様子

を表わしています。


E名前に「ヤブ」とついているもの
     例・ヤブラン、ヤブミゥウガ、ヤブヘビイチゴ・・
ヤブは藪の意味で、これらの植物がやぶ地や林の中などの半日陰に

育つ種類であることを意味しています。

ただし、ヤブガラシ(つるがヤブに生い茂ってやぶを枯らす意味)

のようにヤブに生える意味ではないものもあります。


F名前に「ムグラ」とついているもの
     例・ヤエムグラ、カナムグラ・・・
ムグラということばは、つる状の茎で群がって繁る様子を意味して

います。勢いがよく、かたまって育っている仲間です。


G名前に「メ」「オ」とついているもの
     例・メヒシバ、オヒシバ、オナモミ、メナモミ・・・
「メ」は雌、「オ」は雄の意味です。従って「メ」のつくものは柔

らかく、細い感じのもの、

「オ」のつくものは丈夫で大きいものを指しています。


H名前がきたならしいもの
     例・ハキダメギク、ワルナスビ、ブタクサ・・・
きたならしい名前には帰化植物が多いようです。命名する時に邪魔

で厄介なものという気持ちがはたらいたのでしょうか。


I名前が長いもの
     例・セイタカアワダチソウ、アレチヌスビトハギ・・・
これも帰化植物に多い名前です。比較的最近の命名には長たらしい

形容の語が多いようです。


J外国の国名や地名がついているもの
     例・アメリカセンダングサ、オランダミミナグサ・・
これも帰化植物に特有のものです。なお、メリケンカルカヤやセイ

バンモロコシのようにやや変化して地名が表記されたものもありま

す。


inserted by FC2 system