七草中の大物で田圃で採れるセリは田芹と言われて紫褐色をしています。 また、香もあります。しかし、最近の栽培物は色も青緑色で田芹のよう な香はありません。ビタミンB1、Cを含んでいます。薬効としては神 経痛・リウマチに、また小児の解熱にも。 |
茅葺き屋根の上にまで生えるという生活力旺盛な野草です。七草として だけではなく、江戸時代には吸い物、和え物、ひたし物などに利用され ました。くせのない野草です。薬効としては目の充血によしとあります。 なお、成分としてのコリン、アセチルコリンが全草に含まれ高血圧によ いとされています。 |
今では草餅と言えばヨモギを入れるがその昔はこの七草のオギョウが使わ れていました。どちらもキク科です。ヨモギに変わってしまったのは草餅 の緑が濃くて喜ばれたためだそうです。ハハコグサを母子草と書きますが 別に鼠麹草(そきくそう)とも書きます。これは葉に柔らかい毛があって 形もネズミの耳に似いてることに由来します。薬効としては痰、咳、利尿 作用に・・、またしらくも、はたけなどの皮膚病にも効くそうです。 |
古くはハコベラと呼ばれましたが、食用や薬用にしたり小鳥の餌にするなど で地域によってそれぞれの方言で呼ばれています。春の七草なのに七草粥に は用いられなくなってきました。しかし、商魂たくましくスーパーなどで売 られる春の七草の中に再び登場してきました。食用にはなりますがどことな くホコリ臭さがあります。別にホコリをかぶるからではありません。そう言 うにおいがするのです。薬効としては歯ぐきの出血や歯槽膿漏の予防として 用いるハコベ塩があります。 |
春の七草で言うホトケノザはコオニタビラコのことです。普通にホトケノザ と言われているものは右側の画像、シソ科の野草のことで食用にならないの で間違えないことです。コオニタビラコはタンポポの仲間です。名前は小さ いタビラコの意味です。大きいタビラコはオニタビラコと言います。葉や茎 を切ると白い乳液が出るのはタンポポと同じです。茹でて食すれば苦味も無 く野草食の中での優品であるとも言われます。薬効としては歯痛を治すと書 かれたものを見ましたが定かではありません。 なお、シソ科のホトケノザを有毒だと言う人がいますが「食用にならない」 ことが「食べられない」、「食べられないから有毒」と思われてしまったの ではないかと思います。かの有名な牧野富太郎先生は「ホトケノザを煮て食 って見たまえ、うまくないものの代表はまさにこの草であることがわかる。 しかし、強いて食えば食えない事はなかろうが、まあ御免蒙るべきだね。」 と植物記に書かれています。決して有毒だとは書かれていません。 |
お馴染みのカブのことです。丸いか細長いかの違いだけなのでダイコンの仲 間のように思われますがアブラナ属で、ダイコンのダイコン属と区別されて います。カブの種類はいろいろですがアミノ酸、ブドウ糖、ペクチン、ビタ ミンCそして葉にはビタミンC、A、B1、B2が含まれます。薬効として はしもやけ、そばかすに効くとあります。 |
いろいろな種類のダイコンがありますが古くは陸路インド、中国、朝鮮を経 て我が国に入って来たものです。普段何気なく食べているダイコンなのです が薬効としては種子が健胃、痰切り、せき止めに多肉根は風邪の熱、咳止め、 のどの痛み、二日酔い、打ち身、くじきに、また干した葉は風呂に入れると 冷え性・神経痛に効果があると言います。 |